【論文紹介】Direction of collaborative problem solving-based STEM learning by learning analytics approach
タイトル・著者
Direction of collaborative problem solving-based STEM learning by learning analytics approach
Li Chen, Nobuyuki Yoshimatsu, Yoshiko Goda, Fumiya Okubo, Yuta Taniguchi, Misato Oi, Shin’ichi Konomi, Atsushi Shimada, Hiroaki Ogata and Masanori Yamada
使用したツール・使い方
本研究で使用したツールはBookRollである。日本の私立高校に通う1年生の理科の授業で、12名の生徒を対象として、BookRollを利用したSTEM協調問題解決学習レッスンを以下のように行った。
概要
- 今回行ったレッスンのテーマは、先行研究(Chen, Uemura, Goda, et al.,2018)で実施したものと同様の、「カメルーンのニオス湖で起こった湖水爆発の原因究明」である。
- 1回50分の授業を、週に1回のペースで4回行った。
事前準備
- 生徒は、Bookrollで授業前に教材を読み、わからないところや重要だと思うところにマーカーを引くことが求められた。
- レッスンをスムーズに進めるために、生徒同士で話し合うための5つの質問(「ニオス湖のCO2はどこから来たのか?」など)を用意した。
週ごとの内容
- 1〜3週目では、
- 事前学習として、生徒がマーカーを引いた箇所に関する解説が行われた。
- 生徒たちは用意された質問について、情報の検索、分析、グループディスカッションを行った。
- 全グループが結論を発表し、先生や他の生徒からフィードバックを受けた。
- 4周目は、災害軽減マニュアルの制作と、クラス全体への発表を行った。
テストとアンケート
- レッスン開始前と完了後において、関連知識を問うテストと協調問題解決スキル(以下、CPSスキル)について問うCPSアンケートの2つを行い、知識やCPSに対する意識の変化を確認した。
- レッスン完了後において、STEM学習戦略(以下、SLS)について問うSLSアンケートを行い、STEMレッスン中に生徒がどのような学習戦略を用いたかを確認した。
評価指標
結果
STEM学習における学習成果には、SLSと学習行動のどのような要因が関連しているのか
STEM学習におけるCPSへの意識の変化には、SLSと学習行動のどのような要因が関連しているのか
STEM学習において、SLSと学習行動にはどんな関係があるのか
実践への示唆
- STEM学習において協働活動に参加する場合、マーカーツールは、学生が議論のトピックに集中し、他の人からの投稿を自分の考えに統合することができるなどの利点があるため、STEM学習のパフォーマンス向上に効果的であると考えられる。
- STEM学習戦略の特定の要素は、整理すること、詳しく説明すること、時間管理すること、参照を使用することなど、個人が実行する必要がある。
- マークツールは共同作業に役立つことが示されましたが、その活用方法を詳しく説明しなければ、学生の知識構築や知識の整理・推敲には役立ちません。