アクティブリーディング(AR)-中学英語 読解力の向上(ワードクラウド)
実践者:有田有志先生(西京高校附属中学校)
実践の概要
教師の指示で生徒は英文を一度読み、不安なところ、わからない部分に黄色マーカーを引く作業を行いました。その後、黄色のマーカーで引かれた部分を、教師がログパレのワードクラウドで生徒と共有し確認をしました。黄色のマーカーがたくさん引かれている部分は、ワードクラウドの文字も大きく表示されるため、生徒は自分が引いた部分がどのくらい他の生徒もわからないと思っているかを確認することができました。
実践の流れ・授業展開
教員:事前に教材PDFをBookRollにアップロード生徒:BookRollのファイルを開き,手書きマーカー使って読解を進める
先生:ワードクラウドをホワイトボードに映し、フィーチャーされた単語について英語で説明を加える



実践におけるツール活用のポイント・効果
ワードクラウドをホワイトボードに映し、大きく表示されている単語をピックアップし、英語やイラストを用いて、板書や口頭で先生が説明を加えることで、生徒が分からなかった単語について日本語を介さずに理解でき、自力で長文を読む際の補助として有効であるように見受けられました。BookRoll上で長文の選択肢問題を消去法で解いている生徒がいましたが、概ね生徒は自主的に記述を施しながら解いているようでした。ペンストロークでどの選択肢から消しているかを時系列的に見るのも面白い分析になると思われます。
実践者・記録者から
「知らない表現」には何歳になっても出会うことがあります。インターネットで英文を読んでいれば、クリックするだけで単語の翻訳を知ることができるが、対面で会話を楽しんでいる場合は、「知らない表現」を相手とのやりとりの中で理解することが必要となります。その過程で生徒は既習表現をフル活用して理解できたときに達成感を得たり、自信を持てたりします。この活動は読解活動の中でそれに近い体験をさせることを目的に設計しました。そのため事前に表現について解説してしまうのではなく、「分からない」という体験をさせてから解説を行う構成で行いました。マーカーが引かれる表現は、おおよそどのクラスでも似た表現が多いが、指導者が「この表現は生徒に定着しているはず」と思っていた表現に多くマーカーが引かれることがあります。生徒の定着度を指導者が把握するには非常に有効です。後日マーカーが引かれた表現を活用させるための英作文をペンストロークで行うと、さらに定着させることができます。